「メン・イン・ブラック3」の3Dレビューです。
この3Dは、全編プライムフォーカス社による2D-3D変換です。
3Dはどうだったかというと、これもまた一言では言い表し難い感じです(^^; 


さて、プライムフォーカス社の2D-3D変換と言えば、最近では「スターウォーズエピソード1」や「タイタンの逆襲」がありましたが、どちらも出来は悪かったです。
少し前の「
インモータルズ」は良い出来だったと思いますが、最近の2作がダメだったので、このMIB3は観るまでとても不安でした。

そしてどうだったかというと、「インモータルズ」程良くはありませんが
、「スターウォーズエピソード1」や「タイタンの逆襲」よりは格段に良かったと思います。

気になった点としては、大きく分けて3つです。
人物の配置に違和感があったシーンと、人物の輪郭の処理に粗さが見えたシーン
それから、全体的に人物の立体感が薄めというか、細かいところまでは作っていないというか、造型があまり良く出来てはいなかったように思います。

人物の配置に関しては、タイタンシリーズほど多くは無かったと思いますが、人の距離感がおかしいカットがありました。
人物の造型が明らかにおかしいカットもありました。
そして輪郭の処理については、カットによって以下の2タイプの粗さを感じました。 

まず、ロトスコープが雑に見えたシーン。
背景は問題無かったと思うのですが、人物の輪郭そのものに違和感を感じた部分がありました。

次に、
ギャップのペイント処理が雑に見えたシーン。
ステレオD社の表現で言うと、「ステレオペイント」という事になるのでしょうか。
合成無しと思われるシーンで、なおかつ背景と人物に距離があるシーンで、輪郭周りの背景の歪みが気になりました。

難しいので軽く説明をします。私もそこまで詳しくはありませんが(^^;
2Dの映像から3D映像を作成する場合、奥方向に大きく距離を取ると、奥にある物の“元々見えていなかった部分”を書き足さないといけないという事になります。
手前にある物の裏に隠れている部分は、元々の2D映像には存在しないからです。
で、その修正の甘さが気になるカットがありました、という事です。

気になった部分についてはそんな感じでした。 
とは言え、全体を通して見れば
少なくとも酷い出来という事は無いと思います。
良いとも言えませんが。
CGを使った3Dの見せどころはちゃんとできていましたし、最低限このくらいの3Dクオリティがあれば、3D映画としてはまぁ悪くは無いんじゃないかなという感じです。 
造型がおかしかったり距離感がおかしかったりは何とかして欲しいですけどね(^^;


ちなみに、映画の内容は個人的にかなり好きです。
MIBの面白さにタイムトラベル系のスリルが加わり、展開はテンポが良く、結末はある程度予想が付くものの先が読めない感じ。 
とても楽しめました。
まぁ、思い返すと矛盾もあるんですけどね(^^; 

必ずしも3Dが良い映画と内容が面白い映画は一致しませんが、この映画は、そこそこの3Dと面白い内容でしたので、満足度は高い3D映画なのでは無いかと思います。