現在ニンテンドー3DSのニンテンドービデオにて配信されている、 シャフト制作の3Dアニメ、「新・光神話パルテナの鏡 おいかけて」と「新・光神話パルテナの鏡 おいかけられて」の3Dについて。

これはかなり良く出来てますね!
全体通して、バランスも立体感も良くできていると思います。
スタジオ4℃のもセルアニメの3D化でしたが、3D化に掛けている手間隙が全然違うなという印象です。
それから、
爆風がちゃんと立体的になってました(笑)

まず、全編を通してキャラクターがちゃんと立体的になっているというのが良いですね。
動きの少ないシーンでは、アクセサリーまでしっかりと作り込んであるのがわかります。
動きの早いシーンやパルテナが小さいシーンでも、スカートのなびきなどはちゃんと立体になっていました。

それから、背景の作り込みも凄い。
全編冒頭の、草むらや引きの画のキッチンなど、背景だけ見ていても楽しいくらい。

あと、空がちゃんと空に見えると思いました。
IGと4℃は空とその手前にあるものの距離が近くて、空がハリボテのように見えました。
その点、このアニメでは空が十分奥に置いてあり、ちゃんと空っぽくなっていました。


さて、悪い意味で気になった点について。

まず前編、2分5秒の辺りの、後ろからこけし?が飛んでくるカット。
ちょっと最後の方でこけしがパルテナに近過ぎるような気がします。
それ以外は良く出来てると思うんですけどね。

それから後編、20秒辺りのカット。
これは絵柄のせいかも知れませんが、床の立体感に何か違和感がありますね(^^;
っていうか、床の模様が真上から見たみたいになってる…。なんじゃこりゃ。

同じく後編、1分43秒辺りのカット。
これも絵柄のせいかも知れませんが、
パルテナが水面を走っているように見えますねぇ。
これ以外のシーンの水面の写り込みなどは良いと思うのですが。

最後に、これは完全に絵柄の問題なのですが、後編全編、野菜巨人の手のテクスチャが何か変な感じですね。
手は動いてるのにテクスチャは動かない。
サザエさんやドラえもんの服の模様みたいな?
仕方ないんですかね(^^;


とまぁ、微妙な所もあるにはありますが、全体を通してみると、クオリティの高い2D-3D変換と言えるのではないでしょうか。
特に個人的に好きなカットは、
前編の2分辺り、
パルテナが坂を駆け下りるカットのスカート
前編の3分15秒辺り、
パルテナがカゴを手に取るカットのカゴとパルテナ
後編の1分6秒辺り、
ニンジンが合体するカットのニンジンの動きや立体感
後編の3分8秒辺り、
カボチャに囲まれるカットのカボチャの造型
この辺りは特に、3D栄えする絵柄とクオリティの高い変換が合わさっていたように思います。

ところで、後編では野菜の大群が出てきましたが、大群の表現は、ステレオ3Dの映像と相性が良いと思います。
ですが、3D映像製作にも色々あります。
ありのままを撮影する実写<<大群を配置するCG<<個別に立体化しないといけない変換
と、大群の表現の難易度は大きく違うのではないかと思います。
このアニメでは、最も難易度の高いであろう方法による3Dの大群の表現という点でも、評価できるのではないでしょうか。

ちなみに、スタッフロールを見ると、S3Dディレクターとしてキュー・テックの方の名前が書いてありました。
恐らく、2D-3D変換もキュー・テックが担当したものと思われます。


今後も、3DSでこういう優良3Dコンテンツが増えたら良いですね!
有料でも良いから!(爆)