観てきました、「ALWAYS ドラえもん」じゃなかった、「STAND BY ME ドラえもん
わたくしドラえもんに関しては結構うるさいですが、概ね納得の内容でした。
3Dは、良い所もありイマイチなところもあり…。

※後半、ベースとなっている作品名を挙げていますので、ネタバレが嫌な方はご注意を。

 

まず3Dについて。
以前コメント欄にてCGWORLDに特集記事があるとの情報をいただきまして、自分でも買ってみたんですが、それによるとこの作品は

全862カットで、上映時間は95分
ネイティブのS3Dは184カットで、約20分
残りのカットは2D-3D変換で、担当はオムニバス・ジャパン


という事でした。
また、ミニチュアで製作されたシーンは

室内はのび太の部屋、廊下、玄関
外観ではのび太の家、しずかの家、民家 
ミニチュア撮影が必要だったのは442カット


との事です。
少なくともそれらのシーンに関しては2D-3D変換だったと考えて良いのでは無いでしょうか。
ステレオ3Dに関係のある情報は大体そんなところだと思います。
あと、2Dと違って雨や雪がキャラクターに刺さらないように気を付けたというようなお話もありました。
ちゃんとしてますね。

なお、2D-3D変換に関しては、スタッフロールを見るとQXDの名前があるので、実際に変換を行ったのは恐らくQXDなのだろうと思います。 


前置きが長くなりましたが、結局のところどうだったか。
ざっくり言うと、ステレオレンダリングのシーンも2D-3D変換のシーンも、良いシーンもあったけどイマイチなシーンもあったかなというところです。

ステレオレンダリングのシーンに関しては、丁度良い奥行きのシーンもあったけど、ちょっと薄いシーンもあったなという感じ。
とは言っても、たぶんステレオレンダリングだろうなと思うシーンに関して言っています。後述しますが、正直確証は無いです。

変換のシーンに関しては、良く作り込まれたバランスの良い立体感もあれば、造形や全体バランスが怪しいシーンもあり。
てか、背景とその前のものとでギャップが出ているシーンがあったと思うのですが、別々になった素材からではなくコンポジットされた映像から変換をしていたのでしょうか。謎です。
ちなみに、良く出来てる変換のシーンはステレオレンダリングと見分けがつかないくらいだったと思います。
さすがダイヘツコペン3DのQXDです。
刷りこみたまごのシーンとか、映り込みが表面に貼り付いていなかったらわからなかったかも。 
映り込みは仕方無かったんでしょうかね。

ともあれ、イマイチなところもあったものの、立体感を強調した演出もちょいちょいあり、そういうシーンは良かったです。
ムシスカンをああ言う風にしてくるとはなぁ。


さて、内容について。
私はドラえもんについては軽く原作厨ですが、概ね納得できる内容でした。

細かく色んな道具は出てきますが、ベースとなっている話は「未来の国からはるばると」 「たまごの中のしずちゃん」「しずちゃんさようなら」「雪山のロマンス」「のび太の結婚前夜」「さようなら、どらえもん」「帰ってきたドラえもん」の7篇かな?
この中で大幅な改変があったのは「未来の国からはるばると」と「雪山のロマンス」だけで、他はほぼ原作通りだったと思います。たぶん。
前者の改変はあまり納得がいかないけどまぁ仕方無かったのかなぁという感じ。
後者の改変はちょっと無理やりでしたけどまぁ良いんじゃないかなぁと思いました。
てか、改変されたところ以外はむしろ原作に忠実で嬉しかったです。

しかしなぁ、まとめブログでもネタになっていた「成し遂げプログラム」周りの描写はちょっとモヤモヤしますね。
短い尺での友情の表現とか、「さようなら」の理由付けとしては良かったと思うのですが、セワシが酷いっていうのと電撃描写がちょっとエグいんですよね。 
あと、CGのクオリティは凄いんですが、ちょっと動きがクネクネしがちで気持ち悪いところがありました。

と色々書きましたが、まぁ良かったんじゃないかなと思います。
それから、タイムふろしきやハッスルネジ巻きの映像表現は凄く良かったと思います。
細かい文句は他にも色々あるんですが、原作ファンには嬉しい小ネタもあったりしたし、「しずちゃんさようなら」なんかは原作の描写を生かしつつ上手くアレンジしていたりして、好感が持てました。


ついいつもより長くなってしまいましたが、そんな感じです。
「ドラ泣き」だとか「すべての、子供経験者の皆さんへ」とかのコピーを見ていけ好かないなと思っていたんですが、内容は概ね原作通りでそこまであざとい感じはありませんでした。
なお、私は全部原作を知っていたので大丈夫でしたが、それでも最後はちょっと泣きそうになりました。

そういう訳で、これはこれでアリなんじゃないかなぁと。
鑑賞している人は大人が多かったように思うので、大人向けドラえもんとしてシリーズ化してくれても良い気がします。