話題の作品、ライフ・オブ・パイの3Dレビューです。
期待していたのですが、ちょっとオススメとは言えません。



↓※一部同期ズレがあります
まず3Dについて。
基本的に、遠くの立体感が浅めで近くの立体感が強めでした。
ですが、カメラに迫ってくるようなものはそんなにはありません。
一部、飛び出しや奥行きが強すぎるようなシーンもありましたが(主にCGのシーン)、ちょっと物足りないなーというシーンが多かったです。
というか、近くは強くても奥が浅かったりするので、立体空間があんまり気持ち良くないというか。

ですが、3Dの見所も結構ありました。
主に海中表現と、水平線の表現。
それから、魚とかイメージ映像とか。
大体が予告編にあるシーンです(爆)
中でも特に、船が沈んでいくのを海中で見つめるシーンは、良い感じの遠近感でした。
あと、口の中の宇宙はもう少しゆっくり見せて欲しかった。


さて、なのになぜオススメとは言えないのか。
物足りないシーンが多かったというのもありますが、それより何より、かなり目に負担を感じたからです。
常にという訳ではありませんでしたが、全体の3分の2くらいが経過した辺りでしょうか、目が痛くなりました。
全体通して時々軽いズレはあったものの、そこまで酷いズレは感じなかったので、軽いズレに加えて強い飛び出しと激しい映像の続いた一連のシーンが原因では無いかと考えています。
目の痛みと頭痛に、諦めてメガネを外そうかとも思いましたが、意地でも観続けたところ、映像が落ち着いてしばらくすると目の痛みもある程度落ち着きました。

私は破綻した3D映像等に弱いので、全ての方が頭痛を感じるとは限りませんが、質の良くない3Dだとは言えると思います。
それでも観るという方は、目に違和感を感じたらメガネを外し、映像が落ち着くまで待った方が良いかも知れません。


次に内容について。
ややネタバレあります。
上に貼った3D版の予告編を見ていただければわかるかも知れませんが、現在の“パイ”が過去の話をするストーリーです。
原作の邦題は「パイの物語」というようですが、まさにその通りです。
意表を突く展開や大どんでん返しがある訳では無く、素直なストーリー展開でした。
でも間延び感は無く、退屈しませんでした。
シンプルなストーリーと映像美を楽しむ映画という感じでしょうか。
トラのCGも凄かったです。

ちなみに、予告編で流れている歌は作中では流れませんでした。
BGMの印象もあの歌とは違うので、ちょっと思っていた雰囲気とは違ったかなという印象です。


という感じで、映画としては悪くは無いと思うのですが、3D的にはかなり厳しい。
観る方は覚悟して観て下さい。


【追記】
ちなみに吹き替えで観ましたが、主人公(大人)の本木雅弘は悪くなかったと思います。
主人公(青年)は木村良平だったかな?主人公(子供)は矢島晶子でした。
二人とも良かったと思います。
やはり矢島晶子の少年役は抜群の安定感ですね。

【追追記】
書こうと思って忘れてたんですが、何カットか立体空間の配置に違和感のあるカットがありました。
そのカットが2D-3D変換だったのか、それとも24分の1秒以下のタイミングで左右の同期がズレていたのか、ちょっとよくわかりません。