デジタルコンテンツエキスポのレポートその2です。
今回は、昨年同様DCEXPO内にて行われた国際3D協会日本部会(I3DS-J)による「国際3D協会 ルミエール・ジャパン・アワード 2012」授賞式についてです。
今回は荒れた内容になります(爆)

まずこの通称3Dアワードがどういうものかというと、以下コピペ

日本国内での公開を目的に制作された3D(立体)映像作品を広く募集し、
特に優れた作品を表彰し、その結果を公開することで、
日本における良質な3Dコンテンツの拡大と品質向上を図ることを目的に、
2回目となる 国際3D協会ルミエール・ジャパン・アワード2012を開催いたします。
http://www.i3ds.jp/award.html

との事。
応募資格があるのは、2011年8月1日から2012年8月3日の間に公開された3D作品。
要するに、この1年の間に制作された日本製3Dコンテンツの中から良いものを表彰するよというものです。
36作品がエントリーして、13名の内部評価委員と3名の外部評価委員で審査をしたそうです。

さてこのアワード、3Dアワードという名前ですが、単に3Dが良いというだけでは評価されないんですね。
評価ポイントというのがありまして、そのポイントとは

・機能性
 3Dによる効果的な表現や技術的な挑戦がなされているか

・安全性

・快適性
 過度の負荷を与えないか?十分に立体感が得られるか?

・必然性
 3Dに適した対象や主題が設定されているか?

・作品性
 3Dにより増進する芸術性

・市場性
 市場への波及、効果とインパクト

となっているそうです。
何でこんなに細かいんでしょうね。
3Dの良し悪しと内容の良し悪しだけで良さそうな気がしますけれど。
こんだけ内容が細かいと、どんな作品でも何かしら理由をつけて評価できそうですよね(笑)

さて、ではどんな作品が受賞を果たしたのか、
当日と同じ順番で、私の感想を交えながら紹介していきます。
ちなみに、各作品が数分ずつ上映されました。


■映画賞

  • A3D II ayumi hamasaki Rock'n'Roll Circus Tour FINAL ~7days Special~
    (ソニーPCL株式会社)

結構立体感強めだなと思いましたが、破綻は感じませんでした。
必然性が評価されたのでしょうか。
悪くは無いので、納得。

  • ALWAYS 三丁目の夕日'64 (日本テレビ放送網株式会社)
CGシーンは立体感を強調したシーンがありましたが、日常シーンはあまり3Dを生かせていないような印象を受けました。
本編は見ていないので何とも言えないところではありますが(^^;
昭和を3Dで表現したかったとの事で、出来はどうかわかりませんが必然性はあったのでしょう。
まぁ納得。

  • 映画 怪物くん (日本テレビ放送網株式会社) 
これは映画館で観ました。
全編QXDによる2D-3D変換です。
敢えて薄めの立体感で作ったという事もありますから、安全ではあると思います。
とはいえ、3D的な見所もあるので、納得。

  • おかえり、はやぶさ (松竹株式会社)
これも映画館で観ました。
実写部分の3Dリグの組み方がもうちょっとどうにかできなかったのかなという気はしますが、悪くは無いですし、CG部分の立体感は良いです。
もろもろ納得。ただし、内容は眠くなります(爆)

  • 貞子3D (株式会社 東北新社)
映画館で観ました。
良いとは言えませんが、飛び出す貞子という目的は達成しています。
必然性、市場性、納得です。

  • 鉄拳 ブラッド・ベンジェンス (ソニーPCL株式会社)
CGのクオリティは、さすがデジタルフロンティア。
立体感も、悪くは無さそうでした。
まぁもろもろ納得。


■テレビ番組賞

  • 3D★3D 「Endless Summer Girl」 (ソニーPCL株式会社) 
サーフボードにGoProを取り付けての撮影が印象的でした。
結構左右の同期がズレてましたけど、あのカメラじゃ仕方ないんですかねぇ。 
安全性・快適性クソくらえという感じですが、挑戦はしていたと思います。納得。 

  • THE世界遺産3D GRAND TOUR 白川郷・五箇山の合掌集落  (株式会社BS-TBS) 
良い感じのシーンとイマイチのシーンとありましたが、無難な感じ。
まぁもろもろ納得です。

  • THE 3D RAILROAD STORY ~真岡鐵道SLの旅~ (スカパーJSAT株式会社) 
良かったと思います。
ベタですが、鉄道と3Dは相性良いですよね。納得。


■特別賞

  • インカ帝国展3Dスカイビューシアター「マチュピチュ~太陽の聖地」(株式会社 TBSテレビ) 
実際には横長の大スクリーンで上映されたらしいです。
内容は、実写部分はかなり広角のレンズによる3Dリグで破綻がキツく、CG部分はレイヤー順のおかしいところがありました。
安全性も快適性もダメダメですね。
上映方法がインパクトがあったという事なのでしょうか。
あまり納得いきません。

  • 感動は聖火とともに (パナソニック株式会社)
 一部3D撮影で、他は2D-3D変換。
パナソニック映像による変換でしょうか。
自動ではありません。
立体化の際に発生したギャップを完全無視していたり、建物や物の構造がおかしかったり、イマイチ。
あまり納得いきませんが、安全性だけはバッチリですね!(笑)
いいのか?それで。

そして…

■グランプリ

  • 3D★3D 動物写真家・福田幸広・地獄谷のニホンザル  (株式会社ビーエスフジ) 
ダイジェストが上映されましたが、半分くらいJVCの自動2D-3D変換機と思われる映像でした。
バカにしているんでしょうか。
いくら3D品質だけを評価する賞では無いと言っても、グランプリが半分自動変換。
失望しました。
映画賞やテレビ番組賞には良い作品もあったのに、グランプリにこんなものを持ってこられたら全て台無しです。
3Dアワード全体が、一気に何の価値も無い物になってしまったという感じ。 

番組が悪いとは言いません。
レギュラー番組ですし、自動変換に頼らざるを得ない事もあるでしょう。
それは仕方無いと思いますし、そういう作品が何かしらの賞を受賞する事があっても良いとは思います。
でも、半分自動でグランプリは無いでしょう!

こういう事をされてしまうと、何も信用できませんね。 
そもそも、評価ポイントを6項目挙げておきながら、各作品がどの点で評価されたのかの説明はありません。
本当に作品の内容だけで評価した結果なのでしょうか…。
お金の流れとは言いませんが、何か別の力が働いたのではないかと疑いたくなります。

国際3D協会 ルミエール・ジャパン・アワード 2012
こんなものには何の意味も価値もありません\(^o^)/


【追記】
私と、ジャーナリストの麻倉怜士さんの間で、このようなやり取りがありました。
http://togetter.com/li/405111