ステレオ3D映像作品の、3D画像を用いたレビューの第3弾。
本当は第3弾は「バイオハザード4」にしようかと思っていたのですが、8月にWOWOWでこの「S.A.C.SSS3D」が放送されるとの事なので、これは放送前にレビューを書かなければいけないなと。
始めに言っておきますが、私は攻殻機動隊S.A.C.が好きです。
1stも2ndもBD-BOXを持っています。
ですが、好きと言いながらもSSSは観ていなかったので、それが3Dになったという事で、これは丁度良い機会だととても楽しみにしてバルト9に観に行きました。
その結果、とてもガッカリしました。
もちろん内容は面白かったのですが、3Dのクオリティは燦燦たるものでした。
WOWOWでご覧になる方は、ガッカリしないよう、あらかじめこの記事を読んで、この作品の3Dの正しい楽しみ方を知っていただけたらなと思います(笑)


画像はアナグリフ(赤青メガネ用)のものを貼り付けた上で、MPOファイルをダウンロードできるようにしています。
詳しくはこちらをご覧ください。
それから、今回貼る画像は、破綻しているものが半分くらいです。
今回の3D画像を見る際は、長時間見過ぎないよう、特にご注意ください。
今回は、基本的には流れに沿って貼っていきます。
多少前後します。
まずは冒頭、飛行機が飛んで行くシーン。

MPOはここをクリックして保存
おわかりいただけたでしょうか。
飛行機の輪郭はなんとなく立体的に見えますが、何か違和感があると思います。
このシーンは、車輪などの出っ張っていないといけないものが、全部奥に引っ込んでいるんですね。
メガネを上下逆さまにしてみると、飛行機の輪郭が反り返る代わりに、車輪が飛び出してきます。
これは酷い。
2D-3D変換作業時のミスなのか、それとももしかしたら自動2D-3D変換なのか。
続いてはこちらのシーン

MPOはここをクリックして保存
これは見たまんまですが、まるで背中のすぐ後ろにハリボテがあるようです。
いいのかこれで!?
電脳インターフェースの表現は面白いです。

MPOはここをクリックして保存
これがやりたかっただけで、他はどうでも良かったのかも知れませんね。
トグサが銃を構えるシーン。

MPOはここをクリックして保存
腕の角度と銃の角度が違って変な構え方ですね。
それ以前に、体が薄過ぎるとか手と体が近過ぎるとか、突っ込み所満載なんですが(^^;
でも、次の画像を見れば、このシーンはまだマシだったと思えます。

MPOはここをクリックして保存
トグサ、ハリボテやん!(笑)
いくら尺の短いシーンだからってこれは…
もう、電脳以外2Dでいいじゃん。とすら思えてきます。
そして3D化の時に新規作成されたオープニング。

MPOはここをクリックして保存
これはダメです。
個人差はありますが、見ていると目にジワジワと違和感を感じるのでは無いかと思います。
これは完全に破綻しています。
右中ほどの太い線を見ながら左右交互に瞬きをしてみて下さい。
左右で高さが違っているのがわかると思います。
全体が、左右に視差を付けた後で回転させたような、いわゆる回転ズレのようになっています。
ステレオ3Dとは左右の映像の差ですが、左右の映像が縦にズレて見えるなどという事は現実にはありませんから、非常に気持ちの悪い映像になります。
これも同様です。

MPOはここをクリックして保存
リング状のものが、場所によっては縦にズレています。
どう作ったらこんな事になるのでしょう(^^;
続いてもオープニングから。

MPOはここをクリックして保存
なんだこのカオスな空間は(笑)
道路の壁は宙に浮き、街灯は背景に埋まっています。
同じくオープニングから。

MPOはここをクリックして保存
か、壁に埋まりながら歩いている!?
例によって、メガネを上下逆さまにすると、ボーマの輪郭が壁から浮きます。
つまり埋まっています。
まさにS.A.C.SSS3Dの別名、“アナザーディメンション”。
何か次元を超越している感じがします(笑)
公開当時、「未知の3D」などと評されていたようですが、こういう事なのでしょうか。
まだまだオープニングから。

MPOはここをクリックして保存
どんな並び方をしているんですか(^^;
アメリカ大統領の彫刻みたいな事になってますよ!(笑)
こんな感じで、新作オープニングは酷いもんでした。
このシーンなんかは一見良さそうなんですけれど、やっぱりズレがあるんですよね。

MPOはここをクリックして保存
ここからは本編です。

MPOはここをクリックして保存
もうね、他があまりにもアレだから、ある程度ちゃんとできているシーンが凄く良く出来ているように感じてしまいます(^^;

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オープニングから一転してかなり薄いですが、顔の形もそれっぽくなっています。
これら2カットは、かなり良い方だと思います。
次に、2枚の画像を続けてご覧ください。

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カメラが後ろに下がりつつズームするような演出です。
↑逆でした(^^;
絵がググーっと動く割に、立体感はほとんど変わらない感じです。
ちゃんと3D化していれば見応えのある立体感になったのでは無いかと思うのですが…。
続いてこちら。

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少佐!かわしてるように振る舞ってますけど、どう見ても刺さってますから!

MPOはここをクリックして保存
なんか腕も変な曲がり方しちゃってるじゃないですか!

MPOはここをクリックして保存
少佐がいてバトーがいて。
少佐の左前髪は、 当然少佐の顔よりも前に無いとおかしいのですが、バトーの体の位置まで奥に引っ張られてます。
このシーンでは特に顕著に表れていますが、このような事がほとんどのカットで起こっています。
続いては課長とパズ。

MPOはここをクリックして保存

MPOはここをクリックして保存
顔のアップのカットは、それなりに作り込んであったりするんですよね。
顔だけは。
続いて、走る新入りたち。

MPOはここをクリックして保存
いくら尺が短いからって、これは…(^^;
3D化する気ゼロじゃないですか!
再び銃を構えるトグサ。

MPOはここをクリックして保存
今度は最初のよりは立体的になってます!
でも、銃を構える位置が顔に近過ぎじゃないですか?(^^;
再び電脳インターフェース。

MPOはここをクリックして保存
この演出は時々あるのですが、ここはインターフェースの立体感が面白かったです。
狙撃合戦。

MPOはここをクリックして保存
いくらなんでも奥深すぎ。
パソコン画面で見ても深すぎなのに、これを劇場公開していたのですから(^^;
飛び降りるバトーさん。

MPOはここをクリックして保存
ハリボテの前を飛び降りています。
そんな中でこのシーン。

MPOはここをクリックして保存
これは良いですね。
ヘリの形もちゃんとしているようですし、背景とヘリもちゃんと分離しています。
この作品の3Dで最も良いかも知れません。
これ以外にも数カット、背景とその前のものが分離しているカットがありましたが、新作カットなのでしょうかね。
続いて、電脳系3カット。

MPOはここをクリックして保存
ズレてます。
0901と書いてある丸いやつの輪郭を見ればわかると思います。

MPOはここをクリックして保存
ズレてます。
赤いタチコマの目を見ればわかると思います。

MPOはここをクリックして保存
アナグリフだとわかり辛いのもありますが、もう何がなんだか。
基本的に新作CGシーンはズレてるみたいです(^^;
続いてこちら。

MPOはここをクリックして保存
電脳インターフェースのシーンの一つです。
左右それぞれが、右向きと左向きの台形のように歪んで破綻しています。
これはどうしてこうなったのか、私でもわかります。
おそらく、アフターエフェクト上で交差法の3Dカメラリグを組んでいて、カメラに対して被写体が近過ぎるのです。
交差法リグだと、3Dカメラに近過ぎるものは破綻します。
最後にこのシーン。

MPOはここをクリックして保存
映り込み等の半透明なシーンは全体でいくつかあるのですが、他のシーンは背景に張り付いたり背景ごと浮いていたりしました。
このシーンだけは唯一、半透明がちゃんと半透明になっていました。
という感じです。
私は、S.A.C.シリーズが好きで、この作品にも期待していただけに、残念でした。
しかも、わざわざ「3Dあたしンち」まで引き合いに出してそれっぽい事を言っておいて、これかと。
http://www.enterjam.com/?eid=2181
これだけ酷いものを作り、作り手もそれはわかっているはずなのに、さも自分たちは良いものを作ったかのように振る舞う。
仕方の無い事でしょうけれど、海外作品だと、主演俳優が3Dの不出来を謝罪したという「タイタンの戦い」ですら、この作品よりは相当マシです。
そして公開当時、公式ツイッターアカウントは、好意的な感想ばかりをリツイート。
その中で見かけた言葉「未知の3D」
確かに(笑)
随分時間が経ってしまいましたが、改めてハッキリ言います。
「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society 3D」の3Dは、とても出来が悪いです。
なお、2D-3D変換を担当したのは、「ウルトラマンサーガ」や「テンペスト3D」等と同様、イマジカです。
※「劇場版3Dあたしンち」の3D画像レビューはこちら
3Dセルアニメ特集もあります。
本当は第3弾は「バイオハザード4」にしようかと思っていたのですが、8月にWOWOWでこの「S.A.C.SSS3D」が放送されるとの事なので、これは放送前にレビューを書かなければいけないなと。
始めに言っておきますが、私は攻殻機動隊S.A.C.が好きです。
1stも2ndもBD-BOXを持っています。
ですが、好きと言いながらもSSSは観ていなかったので、それが3Dになったという事で、これは丁度良い機会だととても楽しみにしてバルト9に観に行きました。
その結果、とてもガッカリしました。
もちろん内容は面白かったのですが、3Dのクオリティは燦燦たるものでした。
WOWOWでご覧になる方は、ガッカリしないよう、あらかじめこの記事を読んで、この作品の3Dの正しい楽しみ方を知っていただけたらなと思います(笑)
画像はアナグリフ(赤青メガネ用)のものを貼り付けた上で、MPOファイルをダウンロードできるようにしています。
詳しくはこちらをご覧ください。
それから、今回貼る画像は、破綻しているものが半分くらいです。
今回の3D画像を見る際は、長時間見過ぎないよう、特にご注意ください。
今回は、基本的には流れに沿って貼っていきます。
多少前後します。
まずは冒頭、飛行機が飛んで行くシーン。

MPOはここをクリックして保存
おわかりいただけたでしょうか。
飛行機の輪郭はなんとなく立体的に見えますが、何か違和感があると思います。
このシーンは、車輪などの出っ張っていないといけないものが、全部奥に引っ込んでいるんですね。
メガネを上下逆さまにしてみると、飛行機の輪郭が反り返る代わりに、車輪が飛び出してきます。
これは酷い。
2D-3D変換作業時のミスなのか、それとももしかしたら自動2D-3D変換なのか。
続いてはこちらのシーン

MPOはここをクリックして保存
これは見たまんまですが、まるで背中のすぐ後ろにハリボテがあるようです。
いいのかこれで!?
電脳インターフェースの表現は面白いです。

MPOはここをクリックして保存
これがやりたかっただけで、他はどうでも良かったのかも知れませんね。
トグサが銃を構えるシーン。

MPOはここをクリックして保存
腕の角度と銃の角度が違って変な構え方ですね。
それ以前に、体が薄過ぎるとか手と体が近過ぎるとか、突っ込み所満載なんですが(^^;
でも、次の画像を見れば、このシーンはまだマシだったと思えます。

MPOはここをクリックして保存
トグサ、ハリボテやん!(笑)
いくら尺の短いシーンだからってこれは…
もう、電脳以外2Dでいいじゃん。とすら思えてきます。
そして3D化の時に新規作成されたオープニング。

MPOはここをクリックして保存
これはダメです。
個人差はありますが、見ていると目にジワジワと違和感を感じるのでは無いかと思います。
これは完全に破綻しています。
右中ほどの太い線を見ながら左右交互に瞬きをしてみて下さい。
左右で高さが違っているのがわかると思います。
全体が、左右に視差を付けた後で回転させたような、いわゆる回転ズレのようになっています。
ステレオ3Dとは左右の映像の差ですが、左右の映像が縦にズレて見えるなどという事は現実にはありませんから、非常に気持ちの悪い映像になります。
これも同様です。

MPOはここをクリックして保存
リング状のものが、場所によっては縦にズレています。
どう作ったらこんな事になるのでしょう(^^;
続いてもオープニングから。

MPOはここをクリックして保存
なんだこのカオスな空間は(笑)
道路の壁は宙に浮き、街灯は背景に埋まっています。
同じくオープニングから。

MPOはここをクリックして保存
か、壁に埋まりながら歩いている!?
例によって、メガネを上下逆さまにすると、ボーマの輪郭が壁から浮きます。
つまり埋まっています。
まさにS.A.C.SSS3Dの別名、“アナザーディメンション”。
何か次元を超越している感じがします(笑)
公開当時、「未知の3D」などと評されていたようですが、こういう事なのでしょうか。
まだまだオープニングから。

MPOはここをクリックして保存
どんな並び方をしているんですか(^^;
アメリカ大統領の彫刻みたいな事になってますよ!(笑)
こんな感じで、新作オープニングは酷いもんでした。
このシーンなんかは一見良さそうなんですけれど、やっぱりズレがあるんですよね。

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ここからは本編です。

MPOはここをクリックして保存
もうね、他があまりにもアレだから、ある程度ちゃんとできているシーンが凄く良く出来ているように感じてしまいます(^^;

MPOはここをクリックして保存
オープニングから一転してかなり薄いですが、顔の形もそれっぽくなっています。
これら2カットは、かなり良い方だと思います。
次に、2枚の画像を続けてご覧ください。

MPOはここをクリックして保存

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絵がググーっと動く割に、立体感はほとんど変わらない感じです。
ちゃんと3D化していれば見応えのある立体感になったのでは無いかと思うのですが…。
続いてこちら。

MPOはここをクリックして保存
少佐!かわしてるように振る舞ってますけど、どう見ても刺さってますから!

MPOはここをクリックして保存
なんか腕も変な曲がり方しちゃってるじゃないですか!

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少佐がいてバトーがいて。
少佐の左前髪は、 当然少佐の顔よりも前に無いとおかしいのですが、バトーの体の位置まで奥に引っ張られてます。
このシーンでは特に顕著に表れていますが、このような事がほとんどのカットで起こっています。
続いては課長とパズ。

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MPOはここをクリックして保存
顔のアップのカットは、それなりに作り込んであったりするんですよね。
顔だけは。
続いて、走る新入りたち。

MPOはここをクリックして保存
いくら尺が短いからって、これは…(^^;
3D化する気ゼロじゃないですか!
再び銃を構えるトグサ。

MPOはここをクリックして保存
今度は最初のよりは立体的になってます!
でも、銃を構える位置が顔に近過ぎじゃないですか?(^^;
再び電脳インターフェース。

MPOはここをクリックして保存
この演出は時々あるのですが、ここはインターフェースの立体感が面白かったです。
狙撃合戦。

MPOはここをクリックして保存
いくらなんでも奥深すぎ。
パソコン画面で見ても深すぎなのに、これを劇場公開していたのですから(^^;
飛び降りるバトーさん。

MPOはここをクリックして保存
ハリボテの前を飛び降りています。
そんな中でこのシーン。

MPOはここをクリックして保存
これは良いですね。
ヘリの形もちゃんとしているようですし、背景とヘリもちゃんと分離しています。
この作品の3Dで最も良いかも知れません。
これ以外にも数カット、背景とその前のものが分離しているカットがありましたが、新作カットなのでしょうかね。
続いて、電脳系3カット。

MPOはここをクリックして保存
ズレてます。
0901と書いてある丸いやつの輪郭を見ればわかると思います。

MPOはここをクリックして保存
ズレてます。
赤いタチコマの目を見ればわかると思います。

MPOはここをクリックして保存
アナグリフだとわかり辛いのもありますが、もう何がなんだか。
基本的に新作CGシーンはズレてるみたいです(^^;
続いてこちら。

MPOはここをクリックして保存
電脳インターフェースのシーンの一つです。
左右それぞれが、右向きと左向きの台形のように歪んで破綻しています。
これはどうしてこうなったのか、私でもわかります。
おそらく、アフターエフェクト上で交差法の3Dカメラリグを組んでいて、カメラに対して被写体が近過ぎるのです。
交差法リグだと、3Dカメラに近過ぎるものは破綻します。
最後にこのシーン。

MPOはここをクリックして保存
映り込み等の半透明なシーンは全体でいくつかあるのですが、他のシーンは背景に張り付いたり背景ごと浮いていたりしました。
このシーンだけは唯一、半透明がちゃんと半透明になっていました。
という感じです。
私は、S.A.C.シリーズが好きで、この作品にも期待していただけに、残念でした。
しかも、わざわざ「3Dあたしンち」まで引き合いに出してそれっぽい事を言っておいて、これかと。
http://www.enterjam.com/?eid=2181
これだけ酷いものを作り、作り手もそれはわかっているはずなのに、さも自分たちは良いものを作ったかのように振る舞う。
仕方の無い事でしょうけれど、海外作品だと、主演俳優が3Dの不出来を謝罪したという「タイタンの戦い」ですら、この作品よりは相当マシです。
そして公開当時、公式ツイッターアカウントは、好意的な感想ばかりをリツイート。
その中で見かけた言葉「未知の3D」
確かに(笑)
随分時間が経ってしまいましたが、改めてハッキリ言います。
「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society 3D」の3Dは、とても出来が悪いです。
なお、2D-3D変換を担当したのは、「ウルトラマンサーガ」や「テンペスト3D」等と同様、イマジカです。
※「劇場版3Dあたしンち」の3D画像レビューはこちら
3Dセルアニメ特集もあります。
コメント
コメント一覧 (8)
絵コンテと、ハリボテや破綻にどのような関係が?
確かに、2Dの画作りのしっかりしたアニメ作品を上手く立体化しようと思えば、当然「3Dあたしンち」のようにウソをつく必要は出てくると思います。
それが悪い事だとは思いませんし、この記事の中ではその点には触れていないつもりです。
むしろこの作品の場合は、それ以前の問題が多すぎて、立体的ウソをつくとか演出の問題といった部分まで到達していないと思うのですが。
作り方が分業でしかもその道の手練だったんじゃないでしょうか。
絵コンテにそって人物を描く人と背景を描く人が別々描き、しかも背景はずらす前提で広く描いています。なので(立体)空間が統一しない。
ほのぼの系のアニメなら絵作りの設定がゆるいので背景を3Dでしっかり作ればその上にキャラを乗せる作り方も可能でしょうけど...。
リアルで迫力を出そうとすればするほど3D的に破綻するでしょう。パースのついた絵をずらす訳だから。
現場が絵コンテへのダメ出し(3D的に詰め込みすぎで無理だとか)ができない限りこの作り方で3Dは不可能だと思います。
でしたら、“どうしてそうなったのか”は製作者の方にしかわからないのでは無いかと思いますが、どうなのでしょう。
立体空間が一致しないカットがあったとして、それは背景やキャラクターがハリボテな理由になるのですか?
私は、単に立体化していないだけに思えるのですが。
もちろん、背景もキャラクターも別々に立体化されていて、その上で立体空間にウソができてしまっている、というカットがあったとしたら、それは理解できます。
3Dあたしンちでは、詰め込まれ過ぎなシーンや、有り得ない構図のシーンが多くありましたが、少なくともハリボテや破綻はありませんでした。
ご覧になりましたか?
リアルな画風でも、ヱヴァスマフォの3Dムービー等は違和感も無く迫力のある出来栄えだと思いますよ。
それから、SACSSS3Dは、新作カット以外はHDCAM-SRマスターからの作業であると公言されています。
また、変換の為のロトスコープは中国に発注したそうです。
つまり、1枚画の状態から切り分けて立体化しているカットがほとんどという事になります。
ですので、アニメ制作のノウハウ?は関係無いと思います。
2D-3D変換の品質がどうか、という問題です。
「それ以前の問題」は絵コンテが2D的に完成しすぎだから、現場が3D化にやる気が萎えたんじゃないか?という私の推測でした。
3D化前提で作ったモノかと思っておりました。
よろしければ、↑の記事もお読み頂ければと思います。
何にせよ、この作品の3Dは酷い出来です。
ファンだったからこそ悔しいし残念ですし、もっとちゃんと3D化されていれば、魅力的な3Dに成り得たコンテンツだと思います。
制作過程がどうあれ、酷い出来なのは確かです。
2D-3D変換のアニメ作品でも、良く出来ているものもいくつもあります。
絵柄も様々です。
2Dの絵柄が3D品質に大きく影響するとは思えません。
また、1枚絵の状態からの2D-3D変換という点についても、タイタニック3Dが素晴らしい可能性を示してくれたと思います。
ツイッターでも書きましたが、例え好きなシリーズや監督であっても、ダメなものはダメだとハッキリ言うべきだと考えています。
そうしなければ、ファンにとっても作り手にとっても良い事は無いはずです。
きっと不具合は重々解っていたのでしょうね。
間に合わせで仕立て直した3Dの言い訳を、巧みに前向きにまとめたのでしょう。
しかも「3Dあたしンち」に対して上から目線のようなコメントをしていますけれど、実際にはSSS3Dは3Dあたしンちの足元にも及ばない3D品質という…。